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思いがけないケガをしてしまいました。


■ 初めての救急車

 先日、仕事帰りに飲んで帰る途中、思いがけないケガをして救急車沙汰となってしまった。皆さまに注意喚起をする意味で、恥を忍んで何をやらかしたのか告白する。

 飲んで店を出てバス停まで来ると、ちょうどバスが行った直後で次まで30分近くあった。タクシーで帰れるご身分でもないので、夜8時近いというのにまだ猛烈な暑さのなか、中日・阪神戦をスマホでチェックしながら待つことにする。ベンチは空いていたが、いつものことで座ろうとも思わなかった。

 そろそろバスが来る頃になって、立っているのが急にしんどくなってきた。目の前が少し暗くなるのを覚えた。

 貧血かな。

 今考えるとこの時すぐに座るべきだったが、でもどうせもうすぐ来るからと思って我慢してしまった。これが悲惨な結果を招くことになろうとは‥。

 正直この後の1-2分の出来事をほとんど覚えていない。気付いたときにはバスに乗ろうとICカードをタッチし、そこで運転手に何かをとがめられた。

「頭から血が出ている」

「救急車を呼んだほうがいい」

 そんな声がどこか遠くで聞こえたような気がした。額に鈍痛を感じて手をやると、手に血がついた。訳も分からぬままバスから降りてベンチに腰掛けると、居合わせた親切な人がすぐに救急車を呼んでくれた。その人が救急隊員に説明するのを聞いて、わが身に何が起こったのか、というより自分が何をしでかしたのかをやっと理解した。

医療用ホチキスで留めた傷口。
医療用ホチキスで留めた傷口。

 バスが来た時にふらふらと歩きかけて、いきなり倒れてバス停の屋根を支えている柱に額を打ちつけた。物凄い音がしたが、それでも立ち上がってバスに乗ろうとした。柱が角張っている分、額がスパッと裂けて鮮血が滴り落ちた。 救急病院で、開いた傷口を寄せて医療用ホチキスとやらでバチン、バチン、バチンと11針留めてもらった。

 でも、もしそこに柱がなかったら、車道に倒れ込んでバスにひかれていたかもしれない。もし倒れるのがもう少し遅かったら、顔から柱に突っ込んでもっと悲惨なことになっていたかもしれない。

 いずれにしても、私の不注意により大勢の方に多大な迷惑をかけてしまったし、その場に居合わせて救急車を呼んでくださった親切な方がいなかったら、もっとややこしいことになっていたに違いない。本当に感謝しかない。

 

■ 何がどうして、そうなったか

 自分の身に起きたことをインターネットで調べてみて、原因をほぼ解明できた。

 酒を飲むと血管が開いて血圧が下がる。猛暑で汗をかいて血中水分濃度が下がり気味のところに、さらにアルコールを分解する過程で体内の水分が消費され(アルコールは加水分解)、いっそう血液が流れにくくなっていた。そういう状態で暑い中を30分近く立っていたため、徐々に脳に血が届かなくなって貧血状態となり、ついには意識を失って倒れた。

 

■ 活かされなかった友の忠告

 実は私には過去に同様の経験がある。確か40代前半の頃だった。妻の実家で座敷に座って長い時間飲んでいて、急に立ち上がってトイレへ行ったところ、みるみる血の気が引いて廊下でぶっ倒れた。妻の実家の手前恥ずかしかったし、思いもよらぬ出来事に少なからずショックだった。

 当時、この話を親しい友人にしたところ、次のような忠告を受けた。

「お前も気をつけたほうがいいぞ。酒を飲むと血圧が下がるから、体質にもよるけどちょっとしたことで気を失いやすいんだ。失神を引き起こす要因の一つに『排尿』ってのがあってな、飲み屋のトイレで小便した途端にフッと意識が飛んで、チ○コ出したままひっくり返ると最悪だぞ。まあ、『経験者は語る』ってやつだけどな。アッハッハッ」

 どうやら私もその手の体質かもしれないということで、この話を聞いて以降しばらくは気をつけていた。でも幸い何事もなかったので、最近はすっかり油断していた。

 

■ くれぐれも、ご注意を

 これからしばらくはまだ猛暑で、ビールが美味しい季節が続く。飲んだあとはくれぐれも水分補給を怠りませんよう。ビールは喉は潤しても身体を潤すことはなく、体内の水分を奪うばかりで水分補給には一切ならないことを肝に銘じておく必要がある。だから飲んだあとはおとなしく早く帰ること。暑い中、酔い醒ましがてら歩くなんてことはゆめゆめなさいませんよう。

 「お前に言われたくないわ!」 の声いずこより。ごもっともにござりまする。