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絶品!くるみだれ五平餅

  「近ごろの五平餅ときたら、味噌だれだか醤油だれだか知らねえが、食したあとで口が乾いてしようがねえ」

とお嘆きの貴兄に、これをお勧めしてしんぜよう。

国道257号沿いの、五平餅の太田。
国道257号沿いの、五平餅の太田。
注文を聞いてから、炭火で五平餅を焼く。
注文を聞いてから、炭火で五平餅を焼く。

 たかが五平餅、されど五平餅。そんじょそこらの五平餅とは訳が違う。なにせ「くるみだれ」である。

 中津川から下呂へ抜ける国道257号沿いに、その店はある。昭和の臭いのプンプンする店構えに郷愁や愛着を感ずるのはおっさんの証拠で、今どきの若い人は引いてしまうかもしれない。でも、わが国もほんのひと世代前まではこれが当たり前だったのだ。そして、私は今でもこれが当たり前と思っている。

くるみだれ五平餅と漬物と番茶。どれも無性に懐かしい味がする。
くるみだれ五平餅と漬物と番茶。どれも無性に懐かしい味がする。

 店に入ると、いい感じに年季の入った無垢材の一枚板のテーブルが目に入る。長さ3mはあるだろうか。このテーブルでいただく焼きたて五平餅と、サービスの漬物と食後の番茶。どれも無性に懐かしい味がする。

 そして、次に目に付くのは、田舎のオンボロ小屋のような店にはおよそ場違いとも思える有名人のサイン色紙。壁じゅう所狭しと貼ってある。

 中でも多いのが、中日ドラゴンズの選手のもの。古くは小松辰雄、郭源治、山崎武司、新しいところで又吉克樹、田島慎二。さらにはテレビ取材も入っているようで、タレントのサインや写真、新聞の切り抜きなどなど。

 その中に右の写真。えっ、まさか、南野陽子? かつてのアイドル時代、あんなにムチムチで可愛いかったのに、こんなに「五平もちが似合うおばさん」になってしまったなんて・・。

こちら正真正銘、南野陽子さんのサイン色紙。
こちら正真正銘、南野陽子さんのサイン色紙。

 思えば、南野陽子のアイドル時代なんて私の学生時代のこと。30年以上も前の、昭和の時代のことである。

 五平餅をほおばりながら、何やら郷愁にふけり、一句。 

 

 五平餅や 昭和は 遠く なりにけり

 

 お粗末さまでございました。

ポケットティッシュ
ポケットティッシュ

最後に店の情報を。

<営業>

土・日・祝日

10:00-18:00

10:00-17:00(冬期)

 

五平餅 1本 200円

 

<所在地>

岐阜県中津川市下野442-14

電話 0573-72-2172