「百年の孤独」
なにやら意味ありげな名の焼酎。この焼酎、知る人ぞ知るプレミアム焼酎であり、720ml入り1瓶が1万円近い値で取り引きされているらしい。たかが焼酎でその値もさることながら、そもそも入手困難なのだとか。そのレア物の焼酎が、実は私の手元にある。
なぜあるのかというと、随分前に従姉からもらった。従姉本人は下戸でまったく飲めない。飲みたい人が入手困難な酒が飲めない人の手に入るというこの世の矛盾についてどのように考えるかという問題はともかく、せっかくもらったのに貧乏性の私は値段を知ったら封を切れなくなって、かれこれ2年近く棚に飾ってあった。正月に飲もうと思ったが正月は家を空けていたので飲めず、何か口実がないと飲めそうにないと悟った。
口実はつくるものだ。そこで、私にとって人生の記念日とも言うべき今夜、思いきって封を切ることにした。今日が何の記念日かって? よくぞ聞いてくれました(誰も聞いてないって)。今日、2015年3月21日こそは、私が新種 Spindasis masaeae をタイで採集してからちょうど20年となる記念すべきその日であった。
という訳で、新種発見20年を祝して雅恵と二人で乾杯!といきたかったが、この記念すべき日に雅恵は「女子会」という名の「おばさんの会」(他のみなさま失礼!)へ出かけてしまった。そんな一夜の孤独に「百年の孤独」をちびりちびりとやりながらこのブログを書いている。
ここで当然のこと、飲んだ感想を述べなければならない。まずは味が分かるようにストレートでテイスティングしたあと、ロックでいただいている。多分、目隠しされて黙って出されたら、「ほのかな甘い香りの独特なウイスキー」と思ったのではないか。次に値段を当てろと言われたら、きっと「3-4千円」と答えた。私は洋酒党であまり焼酎は飲まないうえに、なにぶん洋酒も安酒しか飲まない。愛飲しているウイスキーといったら「ジョニ赤」と「フォアローゼス・イエロー」、いずれも1ボトル980円也。残念ながらと言うべきか幸いにしてと言うべきか、日ごろ口にしているものとかけ離れていると、本当の良さがよく分からないというのが正直なところ。下戸が手に入れて、味のわからないヤツが飲んで、違いが分かる人が聞いたら地団駄を踏んで悔しがったかもしれない。
そんな訳で、サイトの方には20周年記念の拙文をアップしたので、そちらも読んでね。
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